ウクレレ発表会曲目
先週の土曜日(6/27)はウクレレの発表会に出た……。後日のため、演奏曲目をメモしておく。現在で月2回1時間半弱のレッスン開始1年2ヶ月め。
- 一緒にレッスンしている数名で、歌とウクレレ
- Kaimana Hila カイマナヒラ
- 「カイマナヒラ」とは、オアフ島にありワイキキから良く見える火山「ダイアモンドヘッド」のこと。
- cf.George Na’opeが歌うKaimana Hilaと歌詞の和訳
- 四季の歌
- On the Beach at Bali-Bali バリバリの浜辺
- Sophisticated Hula 月の夜は
- On A Tropic Night 南国の夜
- Kaimana Hila カイマナヒラ
- 自分のソロで歌とウクレレ、他の人はウクレレのみ
Ku'u Ipo I Ka He'e Pu'e One クウ・イポ・イ・カ・ヘエ・プエ・オネのコード進行。今回はこれをアルペジオで弾いてみた。
出来としては
全体的には「結構うまくいったんじゃないかな?」と思う─ものの、個人的には、
- 「月の夜は」の途中で妙にハイテンションになって(というかたぶんアガッてしまったんだと思う)、頭がちょっと白くなり、2回も歌詞を間違えてしまった。しかもその時、いつものマイクを通さないクラシックギター演奏の癖で、「間違えました」と呟いてしまった……歌のマイクを前にして。あー。
- Ku'u Ipo I Ka He'e Pu'e One クウ・イポ・イ・カ・ヘエ・プエ・オネで、獏の人たちの一部とコードが合わなかった。当日その場あわせだったその人たちは、違うコード進行の譜面(違うグループで使用した、同じ曲の違うコード進行アレンジ)で演奏していたのだった! がっかり。
- 演奏前に楽譜合わせをきちんとするよう心がけたい。
- わたし自身はコードが違うことに途中すぐ気づいたのだが、せっかく入っていれているのだからという気持ちから、指摘できず従って修正もできなかった。発表会と演奏会は違うしなあ……と。
でもまあ、弾いているうちにどんどん楽しくなってきたのが自分でもわかって、それがとてもわくわくするスリリングな体験だった。「演奏は気を放つこと、客席に気を投げかけること」という自分なりの感覚(?)を強く実感できたひと時だった。勉強になった。
*1:ハワイ王国・カラカウア王の妹、カイウラニ王女の母。http://visit-oahu.jp/oahu/statues02.php
ブルーレイディスク『ジブリの風景 宮崎作品が描いた日本/宮崎作品と出会うヨーロッパの旅』
ジブリの風景 宮崎作品が描いた日本/宮崎作品と出会うヨーロッパの旅 [DVD]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: DVD
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- ジブリの風景 宮崎作品が描いた日本/宮崎作品と出会うヨーロッパの旅 [Blu-ray]…ブルーレイ版(私が見たもの。DVD版と同内容)
ジブリファンは必見。アニメの原風景を体感する。
2006年と2008年にBS日テレで放送された番組がこのたびDVD化されたもので(放送は未見)、旅人として下記の3人がそれぞれジブリのアニメ作品の原風景を探し、絵コンテ集を片手に旅する。
- 「宮崎作品が描いた日本」(2008年製作/本編約95分)
- 「宮崎作品と出会うヨーロッパの旅」(2006年製作/本編約85分)
ジブリ音楽を演奏するうえでも参考になるかと思い購入したのだが、その面でも役に立ちそうだ。旅の映像の合間合間には映画のシーンやスケッチが挿入され、その映画の音楽が流される。風景と音楽がぴったりマッチする。映画のシーンだけでなく、本物の景色も頭で思い出しながら演奏すると一味違う深みが出せるかもしれないなあ。
鶴田真由の日本編は非常に真摯な内容。鶴田真由が誠実に人々と会話しながら思考を深め、作品のモチーフを探る旅ともなっている。ヨーロッパ編がとにかく景色が素敵で、異文化体験的な衝撃がある。宮崎駿の心の高ぶりが感じ取れるようだ。
また、日本編とヨーロッパ編の二つに共通するものとして、「自然」と人間の生活の距離や関わり方、職人の手作りが生かされている街や家、丁寧な生活……といったものの大切さがあるように思えた。
ドラマ『結婚できない男』DVD-BOX。主人公・桑野信介が聴いていたクラシック音楽
- 出版社/メーカー: 関西テレビ
- 発売日: 2006/12/20
- メディア: DVD
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関西テレビの企画・制作、フジテレビ系列で2006年7月〜9月、火曜10時の夏ドラマとして放映された。主演は阿部寛(偏屈な独身建築家・桑野信介)、ほか、主な出演者として夏川結衣、国仲涼子、塚本高史、高島礼子、犬のKEN役の「こつぶ」。
ドラマ『結婚できない男』で、主人公・桑野信介が聴いていたクラシック音楽
今季のドラマの
- 白い春(フジテレビ系列、火曜夜10時〜)
が、とてもいい。
と思っている。主演の阿部寛の「感情表現の不器用ぶり」(の演技)にどんどん惹きつけられてしまい、先行きが気になって仕方ない。参考になるかな、と、とうとう「白い春」と同じ脚本家と主演の作品を遡ってみたくなり、結局、以前からとても好きだった『結婚できない男』のDVD-BOXを買い込んで何度も通しで見るに至ったのだった。
『結婚できない男』。もう既に筋も見所も知っているわけで、それなのにところどころで大笑いしてしまう。俳優陣のその役になりきった演技ももちろん、セットや小道具に細かい工夫が凝らされていて、角度を変えて見ることができ、繰り返し見ても見飽きない。最後はほろっと余韻の残る、「たぶんハッピーエンド」で終わる…しゃれた終わり方なので断言できないのだけれど。個人的には完璧な出来の「ロマンティック・コメディ」(wikipedia:ロマンティック・コメディ)といってもいいじゃないかと思う*1。ラブコメや笑えて和めるドラマ、大人がしっかり適切に演じるドラマ、人間の気持ちの機微を明るく描く後味の良いドラマがお好きな方でこのドラマを未見の方には、ぜひ見ていただきたいなあ。レンタルでも今なお人気のようです。
それで、『結婚できない男』のなかでは主人公・桑野信介はクラシックファンで、たくさんのCDをコレクションし、薀蓄を語ったりマンションや事務所で大音量で流したり、マンションでは聴きながら目をつぶって指揮をしたりしている(それが彼にとってのくつろぎタイムであり、趣味なのだ)。どういう曲が流されていたかが
に書いてあり、大変ありがたく思った次第である。
- 第1話
- 第2話
- 第3話
- ワーグナー 歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
- 第4話
- シューベルト『魔王』
- 第5話
- 第6話
- エルガー 行進曲『威風堂々』
- 第7話
- 第8話
- 第9話
- 第10話
- 第11話
- 第12話
- プッチーニ オペラ『ジャンニ・スキッキ』
- ヨハン・シュトラウス 『皇帝円舞曲』
- ベートーベン『交響曲第7番』第1楽章
選曲が微妙にドラマ内容(信介の気分)と連動している……のがまた微妙に可笑しい。
6/13追記 音楽について、下記ページのほうがより詳しかった。
*1:阿部ちゃん演じる建築家・桑野信介も良いですが、中川病院の内科医・早坂夏美先生の夏川結衣が強さともろさを併せ持った明るい女性でとても好きです。くるくる変わる素直な美しい表情が絶妙で、これも「何度見ても見飽きない」要素のひとつ。なお、夏川結衣も今季ドラマの『夜光の階段』(テレビ朝日系列、木曜夜9時〜。松本清張原作。夜光の階段(上) (新潮文庫)夜光の階段(下) (新潮文庫))に出演中。夏美先生と同じ人が演じているとは思えない、すさまじい役……とはいえ福地フジ子もある意味、やはりピュアな人ではあるか……をなさってます。このドラマも過剰っぷりが非常に興味深く、つい夢中になってしまっています。
ハワイアン・ソングのお勉強メモ
CD『エセル中田・バッキー白片 ゴールデンコンビによるハワイの歌ベスト20』
エセル中田・バッキー白片 ゴールデンコンビによるハワイの歌ベスト20
- アーティスト: エセル中田・バッキー白片,エセル中田,クイ・リー,福山たか子,バッキー白片,佐伯孝夫,J.PITMAN,M.VELARDE JR,J.L.TAKA,ディック・ミネ,C.E.KING
- 出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント
- 発売日: 2003/05/21
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- エセル中田・バッキー白片 ゴールデンコンビによるハワイの歌ベスト20…アマゾン商品詳細ページ。一部試聴可能。
昭和に活躍しハワイアン黄金時代を築いた、また、日本にハワイアンを広めまさに「日本のハワイアン音楽の育ての親
」であるバッキー白片氏の演奏や編曲・作曲。その彼と長年、活動し、彼に育てられたといってもいいだろう高名なハワイアン歌手・エセル中田氏の歌声で、ハワイアンの名曲を聴ける。
サウンド的には(詳しくはないのですが)最近の爽やかだったりスピリチュアルだったりするハワイ音楽とは大きく違う感じ。いわゆる「ハワイアン・ソング」という感じの、スチールギターを多用し、ちょっと甘くて暑苦しい(?)。でもオーソドックスでたっぷりたっぷり。
フラの練習用CDとしても使われているのようだ。
収録曲
- カイマナ・ヒラ KAIMANA HILA
- フラは楽し(ドゥ・イン・ザ・フラ) DOIN' THE HULA
- 愛のモーニング・デュウ MORNING DEW
- 月の夜は SOPHISTICATED HULA
- ラハイナ・ルナ LAHAINA LUNA
- ハワイの結婚の歌 KE KALI NEI AU
- バリバリの浜辺で ON THE BEACH AT BALI BALI
- プカ・シェルス PUKA SHELLS
- ハナレイの月 HANALEI MOON
- 舟を漕いで ONE PADDLE, TWO PADDLE
- 別れの磯千鳥
- 小さな竹の橋 ON A LITTLE BAMBOO BRIDGE
- ハワイの夜 NITE IN HAWAII
- 想い出はいつまでも I'LL REMEMBER YOU
- ブルー・ムームー BLUE MUUMUU
- ダヒル・サ・ヨ DAHIL SA IYO
- 珊瑚礁の彼方 BEYOND THE REEF
- カイノア KAINOA
- 素敵なアロハをあなたに(アロハ・ヌイ・ロア・イア・オエ) LOHA NUI LOA IA OE
- サヨナラは云わないで〜アロハ・オエ I WISH THEY DIDN'T MEAN GOOD-BYE〜ALOHA OE
楽譜(曲集)『MELODY JOYFUL ハワイアン・ベスト100』(ドレミ楽譜出版)
MELODY JOYFUL ハワイアンベスト100 (メロディ・ジョイフル)
- 作者: 白石信
- 出版社/メーカー: ドレミ楽譜出版社
- 発売日: 2008/02/14
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バッキー白片、大橋節夫、南かおる諸氏の推薦の言葉つき。『ハワイアン・ベスト100』には、著者・白石信氏が収集した資料……入手楽譜やレコードから採譜した楽譜としてメロディー譜およびコードと、英語歌詞、日本語歌詞が収められている。ハワイアン・ミュージックの出版譜が少なく口伝えでの伝承も多いなか、大変貴重な仕事かと思う。
収録曲のリストとして、
が詳しい。
CD『ヴィヴァルディ:海の嵐(協奏曲集)』ビオンディ
- アーティスト: ビオンディ(ファビオ),ヴィヴァルディ,チョメーイ(セルジョ),コッポラ(ロレンツォ),パグナーティ(ティツィアーノ),ロンゴ(イサベラ),ブラウヒャー(エルネスト),カヴァサンティ(ロレンツォ),マンドレージ(ジョルジュ),カサッツァ(エンリコ),ナッデオ(マウリツィオ)
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2000/07/19
- メディア: CD
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筋肉質の、鮮烈な演奏
ファビオ・ビオンディ(ソロ・ヴァイオリン、ヴィオール&指揮)、エウローパ・ガランデ─イタリア古楽器バロックオーケストラ─によるヴィヴァルディ協奏曲集。時に激しい、切り口が非常に鮮やかな引き締まった演奏で、繊細な解釈がほどこされていることも随所にうかがわれる。鮮烈だが奔放にばらばらというものではない、統制された厳格さも感じられる。
また、ピリオド楽器(古楽器)を使用していても彼らの音色はとてもみずみずしく、伸び、粘り気がある。これも古楽器の音色が「枯れた」とか「かすれた」「(モダン楽器に比べて)淡白」といったイメージを抱きがちなところを打ち壊してくれる。
バロック音楽がイコール「癒し」「まったり」「和み」といったような図式には決して当てはまらないことを実感させられるCDだ。だから、彼らの演奏に対してはかなり「好き嫌い」はあるかな、と思う。わたしは「鮮やかさ」にひかれて、結構好きだ。
収録曲
- ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV.234「不安」
- 協奏曲変ロ長調RV.579「葬送」(ヴァイオリン,オーボエ,シャリュモーと3つのヴィオールのための)
- 協奏曲ヘ長調RV.570「海の嵐」(リコーダー,ヴァイオリン,オーボエとファゴットのための)
- 第1楽章:アレグロ
- 第2楽章:ラルゴ
- 第3楽章:プレスト
- 協奏曲ト短調RV.439「夜」(リコーダーのための)
- 第1楽章:ラルゴ
- 第2楽章:プレスト
- 第3楽章:ラルゴ
- 第4楽章:プレスト
- 第5楽章:ラルゴ
- 第6楽章:アレグロ
- ヴァイオリン協奏曲イ長調RV.552「遠くのこだま」
- ヴァイオリン協奏曲ホ長調RV.270「安らぎ」
- 2つのチェロのための協奏曲ト短調RV.531
CD『ALTUS アルタス 奇跡の声 カストラートからカウンターテナーまで』
- アーティスト: オムニバス(クラシック),ブレット(チャールズ),エヴェラ(エミリー・ヴァン),ジャルスキー(フィリップ),ダニエルズ(デイヴィッド),レブランク(スージー),レーヌ(ジェラール)
- 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
- 発売日: 2009/03/11
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日常から離れて ─精緻な技巧、豊かな声量
今、話題のオムニバスCD。
男性が女性の声域で歌うカウンターテナー。ボーイソプラノを維持するために去勢された男性歌手「カストラート」*1。主に中世やバロック、またロマン派の歌を彼らの歌声で聴くことができる。
彼らの声は、女声とはまた違うのがなんとも不思議で、魅力的だ。女性独特の「色気」、まろやかさは無いように思う。しかし完全にコントロールされて精緻な技巧がこらされ、声量は豊か、柔らかでおおむね女声より太く、なんというかこの世─世間─に存在しないもの(存在しているのだが!)、天上に上っていく音楽のようにも思える。このCDで浮世を忘れたひと時を過ごせるように思った。
このCDには記録に残る歴史上「最後のカストラート」といわれるアレッサンドロ・モレスキ(1858年〜1922年。wikipedia:アレッサンドロ・モレスキ)の1902年の録音も収録されている。音質は悪く、また彼自身の全盛期は過ぎていると思われる。決して良い歌唱ではないが、感慨深いものがある。
カストラート
カストラートについては、最も優れたカストラートとして語られる”ファリネッリ”ことカルロ・ブルスキ(1705年〜1782年。wikipedia:カルロ・ブルスキ)の生涯を描いた映画『カストラート』が興味を満たしてくれ、面白かった。映画の中で音楽をたっぷり聴けるのも良い。
- 香雪日録:2007-01-04(木) 23:22[友引]:仕事始め、映画『カストラート』…以前書いた、この映画の感想。
- http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0631.html…本作のノベライゼーションの書評、松岡正剛の千夜千冊『カストラート』アンドレ・コルビオ
収録曲
- シューベルト:アヴェ・マリア(デイヴィッド・ダニエルズ)
- ヘンデル:歌劇「セルセ」より 私の愛するプラタナスの木に〜オンブラ・マイ・フ(ジェラール・レーヌ)
- マルティーニ:愛の喜び(デイヴィッド・ダニエルズ)
- シューベルト:水の上で歌う(デイヴィッド・ダニエルズ)
- ボノンチーニ:愛らしい瞳〜カンタータ「今や愛の季節が」より(ジェラール・レーヌ)
- ポルトガル古謡:世を統べる聖母よ(ジェラール・レーヌ)
- ペルゴレージ:「スターバト・マーテル」より スターバト・マーテル(悲しみの聖母)(ジェラール・レーヌ)
- レグレンツィ:アヴェ・レジーナ・チェロールム(フィリップ・ジャルスキー)
- J.S.バッハ:マニフィカトより そのあわれみは(フィリップ・ジャルスキー)
- J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調より アニュス・デイ(チャールズ・ブレット)
- ヘンデル:「メサイア」より 彼は侮られて(ジェイムズ・ボウマン)
- ヴィヴァルディ:歌劇「ジュスティーノ」より この喜びをもって会おう(フィリップ・ジャルスキー)
- ヘンデル:歌劇「エジプトのジュリオ・チェーザレ」より 私は涙するために生まれてきた(デイヴィッド・ダニエルズ)
- モンテヴェルティ:歌劇「ポッペアの戴冠」より ただあなたを見つめ(デレク・リー・レイギン)*2
- 伝ロッシーニ:猫の二重唱(ジェラール・レーヌ)
- グリーンスリーヴス(アルフレッド・デラー)
- ロッシーニ:「小荘厳ミサ曲」より 十字に架けられ(ボーナス・トラック)(アレッサンドロ・モレスキ)
DVD『桑田佳祐 Act Against AIDS 2008 「昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦」』素晴らしかった。
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: DVD
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- 昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [Blu-ray]…同ブルーレイ版
- 桑田佳祐 Act Against AIDS 2008 「昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦」…スペシャルページ。試聴ムービーとして映像の一部を見ることが出来る。他にコラムや、感想投稿ページも。
昭和の歴史的流行歌 全61曲をノーカット完全収録!!
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B001RG1TWO?ie=UTF8&tag=galanthusinthesnow-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B001RG1TWO
2008年11月30日、12月1日&2日の3日間、パシフィコ横浜にて行われた、桑田佳祐Act Against AIDS コンサート2008『昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦』を余すところなく完全収録!
1940年代から2000年代までの、歴史に輝く数多くの歌手が残してきた日本の流行歌を桑田佳祐がひとりで唄い繋く、しかも、超強力なビッグバンドを率いてのまさに紅白をさながらいや、それをも凌ぐユーモアあふれる”ひとり”紅白 で観客を魅了した壮大かつ見事なザッツ・エンタテインメントショウ!
昭和歌謡! 素晴らしい! むちゃくちゃ良いですよ。
まさに昭和の歌謡史ここにあり。歌謡曲の魅力と素晴らしさと、桑田佳祐のシンガー、ボーカリストとしての力量を改めて知ることが出来た。
歌の持つ力
収録されているのは昭和生まれの人(まあ30,40歳代以上)なら誰でも知っているだろう、「戦後昭和の名曲」ばかり(一部、平成の曲もあるけれどもそれらもいずれ名曲として歌謡史に刻まれそうなものなのだ)。それらをバンドやアコースティック、フルバンドといったさまざまな形式の贅沢なバックバンドの生演奏サウンド(クオリティ高し)で、桑田佳祐が歌いまくる。
各曲の編曲はたぶん、オリジナルを踏襲したものだ(あと、ほんの少し現代風味を足して音を厚くしてあるところもあるのかな*1)。それらが現代の音響・録音・映像でブラッシュアップさせて演奏されるなかで、どの曲も
- 今、聴いても、
- 今、歌われ演奏されても
耐えられる力強さ、楽曲と詞のその歌ならではの個性、魅力があるのを再認識させられる。つまり、やはり名曲なのだ。名曲とはこういうものなのだ。
桑田佳祐の力量
そして、桑田佳祐の歌。
ほんの少しのおちゃらけ、ほんの少しのオリジナル歌手の物まね(ふりや、母音の発声の仕方など)はあるが、それでもほとんどすべての歌*2が桑田佳祐自身によって飲み込まれ解釈されて吐き出された、彼自身の歌となっているのだ。彼がどういう思いや気持ちで歌っているか。それぞれの歌の魅力、ひだ、陰影が浮かび上がってくる。シンガー、ボーカリストとしての彼の力量を改めて知ることが出来たし、歌手が歌うということがどういうことか気づかされる思いがした。
ちなみに、(彼の歌い方でよく問題にされるところである)歌詞については、明確に、はっきり聞き取れる。DVDのメニューで歌詞字幕を表示することも出来る。
必見、必聴!
桑田佳祐やサザンのファンなら当然、購入を考えられるだろうが、昭和(や平成)の歌謡曲・J-POPファンは買うべし。わたしのような中島みゆきファンも、「時代」一曲のためにでも買う価値ありかもしれない。……わたしは桑田佳祐やサザンオールスターズの特にファンというわけではないのだが、以前にテレビでちらっと見かけたAAAコンサートの映像、「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ男として歌っているのだが、決しておふざけだけじゃないんだなあ)の歌声が頭から離れずにいて、DVD発売を知って予約したのだった。まさにその期待は裏切られることなく、というよりもそれ以上で、心から満足し、堪能している。
収録曲
【全61曲】
- サン・トワ・マミー:越路吹雪 (1966)
- 青い山脈:藤山一郎 (1949)
- コーヒー・ルンバ:西田佐知子 (1961)
- 上を向いて歩こう:坂本 九 (1961)
- 君だけに愛を:ザ・タイガース (1968)
- 恋の季節:ピンキーとキラーズ (1968)
- 君に会いたい:ザ・ジャガーズ (1967)
- 恋のハレルヤ:黛 ジュン (1967)
- ブルー・シャトウ:ジャッキー吉川とブルー・コメッツ (1967)
- 太陽は泣いている:いしだあゆみ (1968)
- 風が泣いている:ザ・スパイダース (1967)
- 夕陽が泣いている:ザ・スパイダース (1966)
- 真赤な太陽:美空ひばり (1967)
- 学生街の喫茶店:GARO (1972)
- 五番街のマリーへ:ペドロ&カプリシャス (1973)
- 心の旅:チューリップ (1973)
- あの日にかえりたい:荒井由実 (1975)
- さよならをするために:ビリー・バンバン (1972)
- シルエット・ロマンス:大橋純子 (1981)
- ルビーの指環:寺尾 聰 (1981)
- 時代:中島みゆき (1975)
- いいじゃないの幸せならば:佐良直美 (1969)
- さらば恋人:堺 正章 (1971)
- 経験:辺見マリ (1970)
- 空に太陽がある限り:にしきのあきら (1971)
- 終着駅:奥村チヨ (1971)
- 長崎は今日も雨だった:内山田洋とクール・ファイブ (1969)
- 他人の関係:金井克子 (1973)
- 君といつまでも:加山雄三 (1965)
- だまって俺について来い:ハナ肇とクレイジーキャッツ (1964)
- スーダラ節:ハナ肇とクレイジーキャッツ (1961)
- ハイ それまでョ:ハナ肇とクレイジーキャッツ (1962)
- ふりむかないで:ザ・ピーナッツ (1962)
- 可愛い花:ザ・ピーナッツ (1959)
- 情熱の花:ザ・ピーナッツ (1959)
- 恋のフーガ:ザ・ピーナッツ (1967)
- 恋のバカンス:ザ・ピーナッツ (1963)
- LOVE LOVE LOVE:DREAMS COME TRUE (1995)
- ロビンソン:スピッツ (1995)
- 襟裳岬:森 進一 (1974)
- 舟唄:八代亜紀 (1979)
- SWEET MEMORIES:松田聖子 (1983)
- 3年目の浮気:ヒロシ&キーボー (1982)
- いい日旅立ち:山口百恵 (1978)
- 現代東京奇譚:桑田佳祐 (2007)
- 少女A:中森明菜 (1982)
- 愚か者:近藤真彦 (1987)
- 狙いうち:山本リンダ (1973)
- 情熱の嵐:西城秀樹 (1973)
- 渚のシンドバッド:ピンク・レディー (1977)
- 勝手にしやがれ:沢田研二 (1977)
- キューティーハニー:倖田來未 (2004)
- GOLDFINGER'99:郷 ひろみ (1999)
- 時の流れに身をまかせ:テレサ・テン (1986)
- 涙そうそう:BEGIN (2000)
- もらい泣き:一青 窈 (2002)
- タイガー&ドラゴン:CRAZY KEN BAND (2002)
- ラヴ・イズ・オーヴァー:欧陽菲菲 (1982)
- また逢う日まで:尾崎紀世彦 (1971)
- 魅せられて:ジュディ・オング (1979)
- あの鐘を鳴らすのはあなた:和田アキ子 (1972)
個人的には
どの曲も良かったのだけれども、個人的には「時代」*3には心から感動した。曲の持ち味、歌の大きさ、追悼の思いと生きている者の未来への気持ち等々が存分に表現しきられており、泣けてしまった。
他には「あの鐘を鳴らすのはあなた」「ルビーの指環」「シルエット・ロマンス」「長崎は今日も雨だった」「渚のシンドバッド」「勝手にしやがれ」「少女A」「魅せられて」が、それぞれの楽曲の素晴らしさ、歌の魅力がとりわけにじみ出ていたように思った。また、堺 正章の「さらば恋人」は(想像されるとおり)桑田佳祐の声にとてもよく合っていたと思う。
*1:さらに、丁寧な演奏によって、曲のおおもとのルーツ─ブルース、ビートルズなどなど─が明確に浮かび上がってくるものもなかにあって、非常に興味深かった。
*2:実は数曲、彼以外のシンガーが登場する
*3:「♪そんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ」「♪まわるまわるよ 時代はまわる」といったさまざまな印象的なフレーズが織り込まれており、くじけかけた人、悲しい人への慰めともなる優しさ、さらに輪廻転生的な世界観にもつながる壮大な歌。作詞・作曲:中島みゆき。「第10回ポピュラーソング・コンテスト」「第6回 世界歌謡祭」グランプリ受賞曲。歌詞…http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba011.shtml参照。