CD『ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」』ブレンデル
- Pictures at an Exhibition…私が聴いたもの。ブレンデルによる「展覧会の絵」オリジナルピアノ版と、リストの小品が収録されている。
- ムソルグスキー : 組曲「展覧会の絵」…ブレンデルの演奏(ピアノ版)と、オーケストラ版を組み合わせて再プレスしたもの
- wikipedia:展覧会の絵
- Pictures at an Exhibition (Mussorgsky, Modest) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music…楽譜
多彩で優しく瑞々しい演奏
ラヴェル編曲のオーケストラ版も鮮やかなオーケストレーションが楽しめて素晴らしいのだが(サクソフォーンのソロをたっぷり聴けるクラシック曲も珍しいし)、ブレンデルのこのオリジナルピアノ版も、ピアノがこんなに多彩な音が出るのかという驚きに満ちている。
音はクリアで、ちりやほこりをぬぐったような澄んでいる。解釈はブレンデルらしく決して大仰ではなく、優しく丁寧に表現されていて、(ブレンデルのこれはラヴェル版に批判的な立場からの演奏であるといわれるのだが)ともすれば堂々と総称威圧的に演奏されがちな「展覧会の絵」をもっとソフトに、絵を眺めているときの熱く個人的な心の沸き立ちに似合った半径の音楽としてとても親密に感じることが出来る。
「展覧会の絵」出版スコアでは、オイレンブルクスコアをおすすめしたい。ラヴェル編曲のオーケストラ・スコアと、同じ小節わりですぐ下にオリジナルのピアノ譜が併記されており、比較して見やすい。解説等も充実している(ラヴェル研究家のアービー・オレンシュタイン校訂・解説)。
オイレンブルクスコア ムソルグスキー(ラヴェル編曲) 組曲《展覧会の絵》(オイレンブルク・スコア)
- 作者: アービー・オレンシュタイン,ラヴェル,ムソルグスキー
- 出版社/メーカー: 全音楽譜出版社
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: 楽譜
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