CD『美空ひばり オリジナル・ベスト50〜悲しき口笛、川の流れのように』
- "オリジナルベスト50〜悲しき口笛,川の流れのように"…アマゾン小品詳細ページ 一部試聴可能。
不世出の天才
演奏の勉強のために美空ひばりは定期的に聴くようにしている。
特にファンというわけではない(ファンの方、ごめんなさい)。美空ひばりに対しては子供心には「高そうな着物を着た偉い人、演歌を歌う人」(同じような脳内位置づけで古賀政男など)という感じで、美空ひばりが歌うものは真っ赤な太陽は好きだったが(今も好きだ)演歌は好きではなかった。というよりよく分からなかった。なんで「真っ赤な太陽」みたいなグループサウンズっぽいもの、ポップスやブルース、ジャズ路線でずっと行かなかったんだろうと思っていた。だから「愛燦燦」や「川の流れのように」を歌ってくれたときはうれしかった。体調がおもわしくないことが感じられる歌声が悲しかったが。
こういうifは美空ひばりに対して失礼だろうけれども、しかし、もし彼女がアメリカやヨーロッパに生まれていたら、世界的な大歌手になっていたかもしれないと思う。特に若い頃の歌声(ディスク1,2)は完璧だ。完璧な音程と的確なリズム、敏捷な反射神経。艶のある低音、軽やかで柔らかな高音。
優れた歌は時代や時間を越えて、今を歌われているように感じることもある。しかし美空ひばりの歌は時代をまざまざと思い出させる曲が多い。少女の頃から人々を熱中させた映画、舞台。昭和に寄り添ってきた歌。時代と人の心をどれだけ吸い取り、重荷を担ってきたのだろうと思う。
収録曲
ディスク1
ディスク2
ディスク3
- 悲しい酒(セリフ入り)
- 芸道一代
- 真赤な太陽
- むらさきの夜明け
- 人生一路
- ひばり仁義
- ある女の詩
- おまえに惚れた
- 裏町酒場
- 人恋酒
- 残侠子守唄
- しのぶ
- 愛燦燦
- 好きなのさ
- みだれ髪
- 川の流れのように