雪街音楽メモ

聴いた音楽、気になった音楽、音楽の話題など、音楽のある日常を書きました。

CD『Monteverdi: Vespro Della Beata Vergine』(モンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』)

Vespers

Vespers

多彩な、心打たれる音楽

を参考にさせていただいて購入したもの。
モンテヴェルディ(1567年〜1643年)は16世紀から17世紀にヴェネツィアなどで活躍したイタリアの作曲家。音楽史では1600年前後にルネサンスからバロックへと音楽が移り変わると大勢から見なされている。モンテヴェルディはまさに彼自身もまた新しい音楽の歴史を切り開き、橋渡しをした人物といっていいのだろうと思う。
この大曲「聖母マリアの夕べの祈り」は多彩な作曲技法が駆使され、劇的な感情表現、ヴェネツィア楽派らしい壮大な響きの演出がある。グレゴリオ聖歌の定旋律も流れている。静かな楽曲もあるなかで、ルネサンス音楽最盛期のジョスカン・デ・プレ(cf.id:galanthus:20081209:1228748451)の曲などと比べると「不協和音」に聴こえてしまう、が、その分そこが目立ち、強烈な印象を受けるサウンドがくっきりと立ち現れる。