雪街音楽メモ

聴いた音楽、気になった音楽、音楽の話題など、音楽のある日常を書きました。

CD『LEONIN / PEROTIN: Sacred Music from Notre-Dame Cathedral』

Sacred Music

Sacred Music

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

岡田氏のこの名著(だと思う)はバロック以前の中世から現代まで、クラシック音楽の流れを時代時代の文化史を踏まえて述べている。帯の惹句にあるとおり、まさに西洋音楽の流れが一望できる一冊である。
本書の第一章「謎めいた中世音楽」内の「ノートルダム楽派とゴシックの世紀」p.16〜で触れられているノートルダム楽派の有名な「作曲家」、ペロタンとレオナンの曲をこのCDでは聴くことができる。レオナン(12世紀後半にフランスで活動した)は2声だが、ペロタン(12世紀末から13世紀初頭にかけてフランスで活動した)は4声に拡大している。
現代の我々の古典期以降の(特にロマン派の)西洋音楽に慣れた耳には不協和音にも聴こえる不思議な和音の数々。天井に舞い上がっていくような高音と同時に耳に入ってくるのは、低音で地を這うように歌い続けられるグレゴリオ聖歌……。