雪街音楽メモ

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CD『モーツァルト:交響曲第40番&第41番』カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト:交響曲第40番&第41番

モーツァルト:交響曲第40番&第41番

晩年のベームと、ウィーン・フィルの成熟した演奏

カール・ベーム(1894年〜1981年)が亡くなる6年前、1975年の演奏。ベームモーツァルト晩年のこの2曲の交響曲をゆったりめのテンポで振って楽譜に率直で堅牢な演奏にしている。ウィーン・フィルの少し甘くて深みのあるたっぷりした音にて各パートは存分に鳴り響く。その音楽の作り方、響かせ方。音のひとつひとつがあまりに鮮明で曲の構造がくっきりとわかり、聴いていて40番と41番の曲の面白さと奥深さに改めて気づかされ、知的にも精神的にも興奮を味わった。

巨匠ベーム

今日、このCDで久しぶりにじっくりベーム指揮を聴きなおしたのだが本当に良い。わたしが物心ついた頃はベームは日本では一種の神様扱い。既に「巨匠、超大家だが本当にお年を召していて動きも危うく」という感じだったが、クラシックを聴くにあたっては親や教師からも世間的にも「ベーム指揮を聴いておけば間違いはない」というふうな風潮だったように思う。そんなこともあって、あえて通(?)を求める感覚で長じてからはなんとなく違う指揮者のものを選ぶことが多かった。
が、ベームの指揮のこの自然なこっくり感、内声の豊かさ、ナチュラルな曲作りで、聴いていてなんというか、その音楽を納得できる。やはり良いな……。

収録曲

Wolfgang Amadeus Mozart(1756-1791)

交響曲第40番ト短調 K.550 Symphonie Nr.40 g-moll KV 550
交響曲第41番ハ長調 K.551《ジュピター》 Symphonie Nr.41 C-dur KV 551 《Jupiter-Symphonie》
フリーメイソンのための葬送音楽ハ短調 K.477(479A)

カップリングとして入れられている。こちらも深い演奏。