CD『ベスト・オブ・ニューイヤー・コンサート』ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
本年もよろしくお願いいたします。
- アーティスト: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,Jo.シュトラウス,アバド(クラウディオ),小澤征爾,カラヤン(ヘルベルト・フォン),マゼール(ロリン),ボスコフスキー(ウィリー),ムーティ(リッカルド),クリップス(ヨゼフ),クナッパーツブッシュ(ハンス),クラウス(クレメンス)
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2004/01/28
- メディア: CD
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ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを数々の指揮者で楽しむ。
このCDは2枚組全27曲で、以下の9人の指揮者によるウィーン・フィルの演奏が収められている。
- ニューイヤー・コンサートのライヴ録音
- 小澤征爾(1935年〜。wikipedia:小澤征爾)
- ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908年〜1989年。wikipedia:ヘルベルト・フォン・カラヤン)
- ロリン・マゼール(1930年〜。wikipedia:ロリン・マゼール)
- クラウディオ・アバド(1933年〜。wikipedia:クラウディオ・アバド)
- ウィリー・ボスコフスキー(1909年〜1991年。wikipedia:ヴィリー・ボスコフスキー)
- リッカルド・ムーティ(1941年〜。wikipedia:リッカルド・ムーティ)
- ニューイヤー・コンサートを何度も指揮したことのある
- クレメンス・クラウス(1893年〜1954年。wikipedia:クレメンス・クラウス)と
- ヨーゼフ・クリップス(1902年〜1974年。wikipedia:ヨーゼフ・クリップス)の演奏
- ウィーン・フィルと関係の深いハンス・クナッパーツブッシュ(1888年〜1965年。wikipedia:ハンス・クナッパーツブッシュ)の演奏
ライヴ録音ではない演奏でも曲の最後にはすべて拍手が追加されており、CDとして一体感を持って楽しめるようになっている。ただ、指揮者によって収録曲目・曲数にばらつきがあること(カラヤンが一番多い)や、名演といわれた回のもの(クライバー指揮のニューイヤー・コンサート等)などは入っていないといったことなどから、ベスト盤というより、
- シュトラウス一族のポピュラーな名曲を一通り聴いてみたい
- そんな名曲を、数々の指揮者のそれぞれの持ち味の演奏で聴いてみたい
といった向きにおすすめではないかと思う。同じウィーン・フィルでも指揮者によってちょっとずつ音が違って聴こえる─もちろん同じオケなのでまったく違うわけではないし、演奏テクニックは最高水準なのだが─。なぜ同じフィルで音が違って聴こえるのか? それは指揮者の指示(解釈)によるものだが、「指揮者の役割って何?」と思っておられる方には不思議なことかもしれない。
ボスコフスキー指揮の曲は、往年のいわゆる「ウィンナ・ワルツ」としてイメージするならまさしくこういうもの、雛形の感じがする。独特のリズム感(三拍子を均等に『タンタンタン』ではなく『タターンタ』というように)がはっきり聞き取れ、滑らかで、すっきりしてちょっと硬い気もする端正な(しかしちょっと退屈な気もする……というのはわたしはあまりウィンナ・ワルツが好きではないからだろう)、とても高い水準の演奏。きっと「ウィーンらしい」んだろうなあと思う。
カラヤン指揮曲は豊かな気分を味わわせてくれる、「器の大きな演奏」という感。繊細さもたっぷり演奏して表現できるということを勉強させてくれる。
小澤征爾指揮の演奏の素晴らしさ
ほか、どの演奏もそれぞれに良く、個人的には大変楽しめたのだが、中でも小澤征爾指揮のものは改めてこういう形で聞き比べてみても素晴らしい。非常に洗練されていて、音色は上品かつ美しく、かつ華やか、リズムも自然に流れていく。ウィーンの土着性(?)というよりも国際都市ウィーンという感じだろうか。
収録曲
Disc 1
- ワルツ「美しく青きドナウ」op.314(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:小澤征爾
- ポルカ「雷鳴と電光」op.324(ヨハン・シュトラウス2世)
- ワルツ「朝の新聞」op.279(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ロリン・マゼール
- 山賊のギャロップ op.378(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:クラウディオ・アバド
- 皇帝円舞曲 op.437(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ウィリー・ボスコフスキー
- ポルカ「狩り」op.373(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:リッカルド・ムーティ
- ワルツ「ウィーンのボンボン」op.307(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ロリン・マゼール
- お好みアンネン・ポルカ op.137(ヨハン・シュトラウス1世)
- 加速度ワルツ op.234(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ヨーゼフ・クリップス
- ポルカ・マズルカ「もえる恋」op.129(ヨーゼフ・シュトラウス)
- 指揮:クラウディオ・アバド
- ポルカ・マズルカ「とんぼ」op.210(ヨーゼフ・シュトラウス)
- 指揮:小澤征爾
- 喜歌劇「こうもり」序曲(ヨハン・シュトラウス2世)
Disc 2
- ワルツ「ウィーン気質」op.354(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:小澤征爾
- 行進曲「フランツ・ヨーゼフ1世万歳」op.126(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ロリン・マゼール
- ポルカ「浮気心」op.319(ヨハン・シュトラウス2世)
- ポルカ「ブレーキかけずに」op.238(エドゥアルト・シュトラウス)
- 指揮:ウィリー・ボスコフスキー
- ワルツ「天体の音楽」op.235(ヨーゼフ・シュトラウス)
- ピツィカート・ポルカ op.449(ヨハン・シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス)
- 指揮:クレメンス・クラウス
- ワルツ「水彩画」op.258(ヨーゼフ・シュトラウス)
- 指揮:ロリン・マゼール
- ポルカ「飛ぶように急いで」op.230(ヨーゼフ・シュトラウス)
- 指揮:クラウディオ・アバド
- ワルツ「春の声」op.410(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ウィリー・ボスコフスキー
- エジプト行進曲 op.335(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:リッカルド・ムーティ
- アンネン・ポルカ op.117(ヨハン・シュトラウス2世)
- ワルツ「ウィーンの森の物語」op.325(ヨハン・シュトラウス2世)
- 指揮:ロリン・マゼール
- ポルカ「休暇旅行で」op.133(ヨーゼフ・シュトラウス)
- 指揮:クラウディオ・アバド
- ポルカ「憂いもなく」op.271(ヨーゼフ・シュトラウス)
- ラデツキー行進曲op.228(ヨハン・シュトラウス1世)
- 指揮:リッカルド・ムーティ