雪街音楽メモ

聴いた音楽、気になった音楽、音楽の話題など、音楽のある日常を書きました。

中島みゆき「愛だけを残せ」(映画『ゼロの焦点』主題歌) 激流のなか生きた証としての「愛」

  • シングルCDは11月4日発売発売。

愛だけを残せ

愛だけを残せ

  • 映画『ゼロの焦点サウンドトラックに主題歌として、本曲ならびにinstrumental編曲が入るそうです。

激流のなか生きた証としての「愛」

愛だけを残せ 壊れない愛を
激流のような時の中で
愛だけを残せ 名さえも残さず
生命の証に 愛だけを残せ

「愛だけを残せ」歌詞より

松本清張生誕100年記念の本年、来る11月14日公開の映画『ゼロの焦点』(犬童一心監督)の主題歌として本曲は書かれた。
清張の代表作の一つである小説『ゼロの焦点』はミステリでもあるのだが、戦後、時代に翻弄された女性たちの物語でもある。その物語に対して、中島みゆきは「愛」を提示した。

力強くドラマティックな仕上がり。悪く言えば大仰、かな。でも悪くない。
個人的な好みで言えば「二隻の舟」テイスト(アルバム『EAST ASIA』所収)*1のような感じにしてほしかったな〜、もうちょっとナチュラルに歌ってほしかったな〜と思うのだけれど(ちょっとだけガナリ気味だから)、声が乱れるほどにはガナってはいないし、硬質なサウンドと相まって壮大さは感じられた。歌詞は聴き取りやすく、ことばが胸に届いてぐっとくるところがあった。
また、中島みゆきの大ヒット曲「地上の星*2と少し似ている箇所もあるので、「地上の星」がお好きな方はこの「愛だけを残せ」も好きかもしれない。

シングルカップリング曲には、米倉涼子主演テレビ朝日系ドラマ「交渉人」の挿入歌だった「闘りゃんせ」。童歌をモチーフにした和風な感触のある力強い曲です。

なお、両曲とも11月18日発売のニューアルバム『DRAMA!』(asin:B002OI6FR8)には収録されていない。曲の依頼とアルバム制作のタイミングが合わなかったようだ。

おまけ 中島みゆきの、生きる証、手がかりとしての「愛」の歌…「愛だけを残せ」類似曲勝手にレコメンド

「たかが愛」(1996年)

僕はたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえない たかが愛

柴田恭兵主演、テレビ朝日系ドラマ「はみだし刑事情熱系」主題歌。エレキギターが印象的な、明るく暖かみもある格好良いサウンド。男の愛を歌っています。壊れてしまったけど守りたい家族への、愛……かな。

「ただ・愛のためにだけ」(2005年)

これが始まりでも  これでおしまいでも
ただ・愛のためにだけ  生きてると言おう

元々は岩崎宏美デビュー30周年記念シングル曲。岩崎宏美中島みゆきは同じ1975年のデビューで、岩崎宏美が憧れていた(ファンだそうだ)中島みゆきに作成を依頼した。
その後、中島みゆき本人が歌い、2006年リリースのアルバム『ララバイSinger』に収めている。