雪街音楽メモ

聴いた音楽、気になった音楽、音楽の話題など、音楽のある日常を書きました。

NHKラジオまいにちイタリア語 応用編(木・金)「Salotto Musicale〜イタリア音楽への招待〜」

NHKラジオ第2では月〜金の朝7時45分から15分間、再放送は同日夕方の4時45分から15分間、「まいにちイタリア語」という語学番組を放送している。
そのなかの木・金曜日は「応用編」として、ピアニストの関孝弘氏を講師に「Salotto Musicale〜イタリア音楽への招待〜」というカリキュラムがこの10月から始まったのを知人から教えてもらった。全24回の放送だそうだ。

上記番組サイトで、先週放送分をストリーミング聴取できる(無料)。

イタリアの作曲家の紹介

第1回目の関氏のイントロダクションによれば、この応用編は

  • イタリア語と音楽の関係をとりあげる。
    • 音楽用語を通してイタリア人の感性に迫ろうという用語編
    • 様々な音楽の話題を通してイタリアの音楽をより身近に感じてもらおうという音楽編
      • イタリア人の作曲家を紹介していく。

といった内容になるとのこと。そして早速、アレグロ allegro のイタリア語本来の「意味」と、ガルッピ(wikipedia:バルダッサーレ・ガルッピ。1706年〜1785年。関氏によれば『モーツァルトの原点と言われている』とのこと)、チマローザwikipedia:ドメニコ・チマローザ。1749年〜1801年)というイタリアの作曲家がとりあげられた。

  • 両者とも日本ではほとんど知られていないが、ヨーロッパで走らない人がいないくらいのイタリアを代表する大作曲家。
  • 単にイタリアで有名だった作曲家というだけでなく、当時のヨーロッパの全土の主な宮廷は全てイタリア人音楽家が楽士長をつとめていた。当時は音楽家・芸術家であれば、イタリアで認められなければ活躍が出来なかった時代であり、イタリア語を話せなければスタートラインにも立てなかった。

といった説明。特にガルッピについては第2回目を丸々使い、ガルッピの50年後に生まれたモーツァルトと比較しながら、実際に曲を流して紹介されていた。

クラシックの音楽用語をイタリア語本来のニュアンスから考える=作曲家の指定を読み取って、演奏家はなぜそういう演奏をするのか。

allegroについて。
日本の音楽用語としては、Allegroは一般に「速度記号」として「速く」という訳・意味を与えられている。しかし、番組の中で関氏は

  • イタリア語本来の「アレグロ」allegro は、「陽気な」「明るい」「楽しい」、喜びとか幸せ感を表現する、速さとは全く関係ないことば

である、と説明する。
このように

  • 本来のイタリア語の持つ微妙なニュアンス 例文と音楽を用いて五感に訴えながら探っていく

ことを通じて

  • 音楽はイメージを表すもの。
  • 言葉が持つイメージは様々で、演奏者がその言葉からどんな感覚を感じるのか。それが音楽の始まり。
  • 言葉から広がるイメージを音にしていくのがとても大切なのだ。

……といったような、氏の考える音楽の話になっていくのだった。

上記のようなお話と実際の音楽が流れる15分間。
「音楽用語」としてのイタリア語と本来のイタリア語の違いは、楽典等にある程度触れたことのある人なら知っていることもあると思う。そのように知っている人は復習として、またそういうことを知らなかった人は初めての知識・イタリア語とクラシック音楽を楽しむ入り口として聴いてみると勉強になると思う。
また、イタリア人作曲家も日本ではなかなか聴けない作曲家の作品を取り上げてくださるようで、期待したい。たとえば昨日放送分ではレスピーギの珍しい作品が流れていた。