雪街音楽メモ

聴いた音楽、気になった音楽、音楽の話題など、音楽のある日常を書きました。

CD『ポートレイト・イン・ジャズ 和田誠・村上春樹セレクション』 Portraitt in Jazz

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)

心が静まる親密なジャズ

まず聴こえてくる「ぷちぷちノイズ」(古い音源が使われている)で心が和んでしまう。古い曲が古めかしい音そのままに流れてくるが、音楽が歌いかけてくるものは古くないのだ。懐メロを懐かしむのではなく、今のわたしの心がその音楽に心震わされる。深海にもぐっていくような、心が静まりつつどこかが解けて熱くなっていくような感覚がある。
付属ライナーノーツ所収の村上春樹によるエッセイ「雨の夜のビリー・ホリデイ」では、村上春樹国分寺で経営していたジャズ・バー時代*1の出来事によせてジャズについて語っている。それは氏のいくつかの作品(たとえば『国境の南、太陽の西asin:4062630869など)が連想されるエピソードであった。

収録曲

  1. 君ほほえめば(ビリー・ホリデイ
  2. ガンジスの月光(ベニー・グッドマン
  3. 私はヴァージニアへ(ビックス・バイダーベック
  4. ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ?(ジェリー・マリガン
  5. イッツ・ユー・オア・ノー・ワン(デクスター・ゴードン
  6. ゴースト・オブ・ア・チャンス(チュー・ベリー・ウィズ・キャブ・キャロウェイ・オーケストラ)
  7. エスト・エンド・ブルース(ルイ・アームストロング
  8. ブレックファスト・フュード(チャーリー・クリスチャン
  9. シンギン・ザ・ブルース(ビックス・バイダーベック
  10. ウォーキン(マイルス・デイヴィス
  11. アイ・キャント・ゲット・スターテッド(ビリー・ホリデイ

*1:「ピーター・キャット」。cf. http://www.tokyo-kurenaidan.com/haruki-kokubunji1.htm